新しい挑戦がしたくなる理由
人材・組織活性化 · 12日 7月 2025
本音を引き出し飽きと向き合うことが事業の持続力を生む 事業を立ち上げるうえで最も大切なのは、人の心の動きを見抜く力と、それに応じた仕組みづくりです。まず意識したいのは、対話の質です。たとえば「何か困っていることはない?」という問いは一見思いやりのある声かけに見えますが、相手にとっては率直に答えにくく、表面的な回答しか得られないことが少なくありません。とくに自分が上の立場である場合、相手は本音を隠してしまいがちです。良い問いとは、答えを引き出すことよりも、相手が安心して話せる場づくりを意識することにあります。事業を成長させるには、チームとの信頼構築が欠かせません。その基盤にあるのが、丁寧な対話と問いの設計なのです。 もう一つ、見落とされがちなポイントが「飽き」への理解です。新しいことに挑むとき、人は刺激や学びに満ち、手応えを感じやすいですが、やがて慣れが生まれ、日々の活動に新鮮さが失われていきます。これは「限界効用逓減の法則」と呼ばれ、どんなに意味ある仕事でも繰り返すうちに満足度が下がることを示しています。この現象を理解しないまま進むと、事業の停滞や関わる人の離脱を招く可能性があります

行動が先で気分はあとからついてくる
人材・組織活性化 · 11日 7月 2025
小さな行動と率先力が未来を動かす 事業の立ち上げを考えるとき、大きな戦略や資金計画ばかりに目が向きがちですが、実は日々の小さな行動や環境整備こそが、物事の流れを大きく左右することがあります。たとえば、毎朝のわずかな掃除は、自分自身の気分や思考を整えるきっかけとなり、前向きな行動を促す心理的な効果をもたらします。これは脳の「行動が感情をつくる」という性質を活かしたアプローチであり、気分が乗ってから動くのではなく、まず動くことでやる気を引き出すという考え方です。玄関やトイレのように、無意識と深くつながる場所を整えることは、自分自身へのメッセージとして働き、自己を肯定する力となります。 また、職場やチームにおいては、整った空間が他者への配慮や協力を生み出す土壌になります。特に小さな乱れを見過ごすことが、組織全体の意識の緩みにつながるリスクがあります。これを防ぐためには、ルールや習慣を形だけで終わらせず、率先して行動する姿勢が求められます。リーダーが掃除や整頓に手を抜かず自ら動くことで、周囲に対する影響力は大きくなります。

自分の変化を信じることから始めよう
思考法 · 10日 7月 2025
自分を広げ他者と向き合う視点が事業を育てる 事業を始める際、まず必要なのは、自分を深く知ることです。脳には八つのタイプがあり、人にはそれぞれ得意と苦手が存在します。論理に優れていても共感に乏しい、創造性が高くても伝えるのが苦手など、自分の特性を把握し、弱点を意識的に鍛えることが、チームづくりや顧客対応において強みになります。脳は後天的に鍛えられるため、理想像を描いて行動すれば、現在の自分を超えることが可能です。同時に注意したいのは、自分の考えや仮説を正しいと信じ込んだ時に起こる確証バイアスです。これは、都合の良い情報だけを集めてしまい、都合の悪い情報を無視する心理の働きです。この状態では、提案が妥当かどうかを冷静に判断できなくなります。他者からの指摘や反論に耳を傾ける姿勢が、自らの計画を強くし、見落としを補います。確証バイアスに気づき、視点を増やし、自分の特性に向き合うこと。それが、変化を味方につけて事業を前に進めるための確かな土台になるのです。

考えすぎる前にまず動いてみる
思考法 · 09日 7月 2025
常識を疑い規格外に価値を見出す力 新たに事業を始めるとき、合理的な判断や市場分析は欠かせませんが、それだけでは他と差をつけにくい時代です。森水産が展開する魚の自販機は、流通に乗せにくい規格外のヒラメや普段使われない部位に目を向け、それを商品として届けることで、廃棄を減らし新たな価値を生み出しています。常識から外れた素材に可能性を見出す姿勢は、限られた資源を活かす上で重要です。また、直売所ではなく自販機という選択により、コストを抑えながら24時間販売が可能となり、人手不足の課題にも対応しました。事前の想定通りにいかない場面では、顧客の動きを観察し、反応から学ぶことが大切です。「売れると思ったが売れなかった」体験を無駄にせず、仮説と検証を繰り返すことで、次に活かせる情報が蓄積されていきます。最初から完璧な形を目指すのではなく、小さく始めて試しながら軌道修正を重ねていく柔軟な姿勢こそが、事業を継続させる土台になります。さらに、場所にこだわりすぎず、地元の敷地を活用して立地コストを下げる工夫や、通行人へのアピールとしてのぼり旗や看板を設置するなど、知ってもらうための仕掛けも不可欠です。

素直になれない自分と向き合うとき
思考法 · 08日 7月 2025
自分を受け入れ思考の枠を超えることが挑戦の土台になる 事業を立ち上げるということは、未知の領域に一歩踏み出すことです。その挑戦には、柔軟な姿勢と自己認識の深さが求められます。たとえば、謝ることができない人には、自信のなさや比較意識の強さ、自分の行動を客観視できないという背景があります。これは他人の話ではなく、起業を目指す人にも無関係ではありません。何かを成し遂げたいと願うときこそ、自分の弱さを認め、他者からの指摘を受け入れる器が必要です。反省し、修正する力がなければ、事業は少しのズレから大きな損失へとつながるからです。 また、既存の枠にとらわれず発想を飛ばす力も欠かせません。常識の反対を考える「逆説思考」や、極端な設定からアイデアを探る「エクストリーム思考」などを取り入れることで、思考の幅は広がります。カップヌードルや宅急便も、当時の常識から外れた発想から生まれたものでした。初めは否定されるような案でも、視点を変えれば新たな価値になる可能性があります。合理性は結果でしか語れないことが多いため、最初から理屈に合う案を求めていては、挑戦の芽を自ら摘み取ることになります。

曖昧な言葉が心に刺さる理由を理解する
思考法 · 07日 7月 2025
「価値と言葉で人を動かす力を磨く」 事業を立ち上げる際に大切なのは、目の前の活動が何のためにあるのか、その目的と得られる価値を言語化できる力です。人は「やるべきこと」だけを伝えられても動きません。「やることでどんな良いことがあるのか」「どんな未来につながるのか」といったベネフィットが言語化されていることで、初めて自発的な行動が引き出されます。数字や機能の説明ではなく、相手の気持ちに響くような言葉で伝えることが重要です。これは商品だけでなく、チームを率いる上でも不可欠です。また、相手に納得してもらうには、自分の主観だけで話すのではなく、事実やデータ、第三者の言葉を用いることが効果的です。さらに、相手が「自分のことを言われている」と感じやすいような表現を工夫することも有効です。これは心理学でバーナム効果と呼ばれるもので、「あなたは努力家でありながら不安を抱えている」といった誰にでも当てはまりそうな言葉が、強い共感を生みます。ただし、この手法を誤用すれば信頼を失います。大切なのは相手を操作するのではなく、相手の立場に立って納得と共感を促すことです。自分の言葉が相手にどう届くかを意識しましょう

リーダーの役割は動くことではなく引き出すこと
人材・組織活性化 · 06日 7月 2025
人が動きたくなる設計が事業の可能性を広げていく 事業を立ち上げるとき、自分の能力だけで進めようとする姿勢には注意が必要です。実力があっても、それを押しつけてしまうと、まわりの思考や行動を止めてしまいます。大切なのは、仲間に「考えさせること」です。「どう思う?」「何が課題だと思う?」と問いかけることで、相手が自分で判断し、動く環境が生まれます。これは「自己決定感」と呼ばれ、人が意欲的に動く源です。リーダーに必要なのは、教える力より問いかける力です。 加えて、事業を広げていくには、個々の能力を足し合わせるのではなく、知見や工夫を掛け合わせていく仕組みが必要です。週1回5分でも工夫や失敗の共有をすることで、全体の判断力が高まります。こうした場では、リーダーが聞き役にまわり、心理的安全性を保つことが重要です。情報を言いやすい環境があるだけで、チームは大きく変わります。 また、役職や肩書きにとらわれず、専門性や実力を活かせる柔軟な仕組みも必要です。昇進だけを評価軸にすると、向いていないポジションで力を発揮できないケースが増えます

全員一致の怖さを知る
人材・組織活性化 · 05日 7月 2025
判断と対話の質が未来を左右する 事業を立ち上げようとする人にとって、会議は時間の浪費ではなく、明確な意思決定を下すための重要な「設計された時間」として位置づける必要があります。話し合いの長さよりも、本質的な議論がなされているか、自分の関与が正しく理解されているかが鍵となります。「これは自分に関係がない」と感じる参加者が出るのは、事前の目的共有や議題の構造に問題がある可能性があり、ただ空気を読んで賛成に回ると判断の精度が下がってしまいます。対話の場をつくる側は、関係ない話を避け、必要な人にだけ参加を求め、不要であれば途中退出を促すなど、ルールを明確に運営すべきです。 さらに重要なのは、会議内での「同調」を避ける仕組みを整えることです。多くの場面で、人は周囲に合わせて本音を言わなくなります。そのままでは、検討すべきリスクや代替案が埋もれ、間違った方向に進む可能性が高まります。順番に意見を聞くのではなく、全員が同時に意見を出す、少人数で意見を交わしてから共有するなどの工夫が、率直な意見を引き出します。あえて異論を述べる役割を持つ人を置くことで、心理的安全性も高まります。

あえてこだわることで得られるもの
思考法 · 04日 7月 2025
「日常を丁寧に整え工夫を重ねて道をつくる」 事業の立ち上げを考えるとき、アイデアやビジネスモデルばかりに意識が向きがちですが、まず重要なのは「自分が何に集中できるか」「どこで手を抜くべきか」を見極めることです。 仕事における飽きやつまらなさの正体は、単に内容が退屈なのではなく、向き合い方が惰性になっている場合が多いです。香りを使って自分の心にスイッチを入れる松本幸四郎さんのように、意識を切り替える個人的な工夫を持つことで、仕事に新たな意味や緊張感をもたらすことができます。毎日をなんとなくこなすのではなく、「もっと良くなる方法はないか」と考え続けることで、同じ仕事も新しい挑戦に変わります。 そこで「パレートの法則」に学び、限られた資源を意味ある部分に集中させる視点も必要です。すべてに全力を注ぐのではなく、重要な2割に最大限の力を注ぎ、それ以外は適度な完成度でとどめる判断力が、継続と成果を支えます。 一方で、特に意識すべきなのは、正解のない環境においてどう自分を保ち続けるかです。すべての判断に明快な答えがあるわけではないからこそ、自分で考え、自分なりに最適を模索する力が問われます。

固定観念に縛られずに自分の限界を試す
思考法 · 03日 7月 2025
信頼を築くには共感と柔軟さが必要です 現代において、どれほど利便性の高いサービスや立派な理念を掲げていても、それだけでは社会に受け入れられにくくなっています。LUUP社の事例が示すように、社会的に注目されている事業であっても、経営陣の振る舞いや広報の発信、利用者との距離感が社会とのずれを生み、強い反発を招いてしまうことがあります。特にSNSなどの場では、論理性よりも「共感」が重視されるため、合理的な説明やエリート性を打ち出すほどに「こちら側」と「そちら側」の分断が生まれやすくなります。事業の立ち上げを考える上では、理念や仕組みだけでなく、自らが社会にどう見られているのか、誰にとっての味方でありたいのかという姿勢が問われます。「本気度」や「本物感」が伴っていなければ、メッセージは届きません。 また、事業を前に進める際には、スキルやノウハウ以上に、自分自身の思い込みや固定観念に目を向けることが大切です。LUUP社が批判された背景にも、「一部の違反者だけ」という認識の甘さや、不適切な対応を「隠す」ことで乗り切ろうとする姿勢がありました。

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