「意思と柔軟性を備えた選択が事業の軸になる」
事業を立ち上げようとする際に最も意識すべきなのは、自らの意思で選び抜いた判断をどれだけ積み重ねられるかという点です。世の中の環境は常に変化しており、最初に思い描いた計画通りには進まないことがほとんどです。だからこそ、判断のたびに納得のいく基準を持ち、選択肢を適度に広げて比較し、限られた状況下でも自らが決めたという実感を持てる判断を重ねていくことが重要になります。全てを調べ尽くして完璧な答えを求めるのではなく、今ある情報の中から最善と思える手を選ぶ力が問われるのです。
また、事業を進めるうえでのもう一つの要点は、自分の意思決定に影響を及ぼすバイアスを意識することです。過去の一度きりの良い経験を一般化して判断を誤ったり、損を避けたいという感情からリスクを回避しすぎたりするのは、誰にでも起こることです。
判断の冷静さを保つには、あらかじめ評価の軸を設定しておき、複数の観点から選択肢を見直す仕組みを用意しておくことが役立ちます。
吉野家が牛丼からラーメン事業へと大きく舵を切ったように、過去の延長線上で考えるだけでなく、新たな収益源や価値を見出そう