常識を疑い価値を編み出す力
事業を始めるときにまず持つべき視点は、「世の中の当たり前」に疑問を持つことです。多くの人は新しいものを好み、古いものを避ける傾向がありますが、たとえば外食産業では、実際には古米が広く使われています。しかも、それに気づかず美味しいと感じている人がほとんどです。これは、「新しい=良い」「古い=悪い」という思い込みの枠を超えて、本質的な価値を見抜く力が求められるということです。また、節分の恵方巻きのように、もともと一部地域の慣習にすぎなかったものが、マーケティングによって全国的な行事として浸透した事例もあります。このように、人々の中にある潜在的な欲求を可視化し、それに意味を与えることで、新たな文化や市場が生まれます。事業では、すでに表に出ているニーズよりも、まだ誰も気づいていないような不満や願望に光を当て、それを商品やサービスとして具体化することが鍵になります。その際に必要なのは、現場に足を運び、人の行動を観察し、会話を通じて小さな気づきを積み重ねることです。そしてもう一つ、ニーズに応えるだけでなく、自分が持つ強みや技術、リソースから可能性を広げてみましょう