信頼される組織を築くために必要な土台づくり
事業を立ち上げる際、避けて通れないのが人との関係性です。たとえば、メンバー間のトラブルや価値観の衝突は、チーム内で頻繁に起こり得ます。そのときに大切なのは、すぐに解決しようと反応的に動くのではなく、まずは相手の本音や意向を丁寧に聴き取る姿勢です。話をじっくり聞くことで、単なる愚痴なのか支援を求めているのかを見極められます。加えて、一人で抱えず、必要であれば第三者に相談したり、複数の視点から状況を確認したりする柔軟さが求められます。また、リーダーは何でも介入するのではなく、成長の機会として相手を信じて任せることも重要です。一方で、関係性を築くには環境も鍵を握ります。形式的な仕組みだけでは人は動かず、心を通わせるための工夫が必要です。「実は……」と語り合うような自己開示の機会や、円形の座席配置、間接照明など、心の距離を近づける演出がチームを一つにします。そのためにはまず、リーダー自身が弱さをさらけ出し、扉を開くことが求められます。こうした信頼の積み重ねが、組織の力を引き出し、揺るがない土台となっていきます。